窒息住宅はなぜ出来たのか
窒息住宅には、2通りの造り方があります。
1つは家全体を合板パネルで囲い、湿気に弱い合板をビニールで包む気密住宅の作り方(2×4、プレハブ合板構造)。
もう1つは軸組木造に温かさを求めビニール貼及びウレタン吹付けをした気密住宅の造りです。
双方とも家が吸放湿せず、窒息住宅となってしまいます。
家の蒸れ腐れ、窓やフローリングの結露、カビ・ダニ、化学物質(ホルムアルデヒド)の高濃度、これらが新築病(シックハウス症候群)を引き起こしているのです。
2×4プレハブパネル工法
合板パネルは呼吸のできない材料であり、窒息気密住宅となります。
在来軸組発泡ウレタン、ブローイング高気密高断熱工法
発泡ウレタン及びブローイング材は呼吸のできない材料及び構造であり、窒息気密住宅となります。
在来軸組高気密高断熱工法
ビニールシート及び合板パネルは呼吸のできない材料であり、家全体を囲った高気密な窒息気密住宅となります。
ビニールクロスの住宅
ビニールクロスおよびビニールシートは呼吸のできない材料であり部屋および家全体は、窒息気密住宅となります。
卵の優れたメカニズム
卵は、殻にある無数の気孔から、水分や炭酸ガスを発散する呼吸をしています。また、丸い側の殻と膜の間にある空気の層が、呼吸をスムーズにする働きをしています。驚くほど優れた自然のメカニズムです。
また、人間は、気管支呼吸と皮膚呼吸をし、多くの水分を発散して生きています。家の中を考えると、洗濯や風呂、炊事など生活の中からも水分が放出されています。
4人家族の場合、1日に約6リットルの水分が放出されており、家の中は湿気がいっぱい。
これらの水分をいかに外に放出するかが、家づくりの重大な課題なのです。
そのためには、卵のように家自体が呼吸することが必要になってきます。
呼吸する家
湿気や臭い、化学物質を排出できる家
人が生活する家は、壁が湿気を吸い(つまり皮膚呼吸)、木材に適度なうるおいを与え、余分な湿気を家の外に排出する(つまり気管支呼吸)ことが、絶対不可欠な条件です。
排出するのは湿気ばかりではありません。こもりやすい臭いや化学物質も一緒に放出します。
窒息住宅とはつまり、人間がビニールをまとって生活しているようなもの
ところがこの「皮膚呼吸」と「気管支呼吸」ができない家は、いわば人間が汗を吸湿しない素材の服を着て、そのうえに全身ビニールの袋をかぶったような状態と一緒です。
息苦しく、中はびしょびしょ。クーラーや換気扇など電気や機械の力を借りて、応急処置をしているに過ぎないのです。
WB工法は有害な化学物質対策や結露対策にも極めて有効という研究結果も
通気断熱WB工法がめざしたのは、息をする家です。と言っても、すき間風が入るという意味ではありません。
WB工法の第一のポイントが、皮膚呼吸をつかさどる壁材に透湿材を採用すること。
第二のポイントは、部屋の壁と断熱材の間に気管支呼吸のための通気層を設けること。
室内で発生した余分な湿気は壁を通し、通気層へ排出され、家の外に抜けていく構造です。
つまり、常に穏やかな換気をしている状態になり、有害な化学物質対策や結露対策にも極めて有効という研究結果も明らかになっています。
このように、WB工法は、透湿壁によって絶えずゆるやかな換気をしている状態(皮膚呼吸)で、湿気や臭い、揮発した化学物質などを、 常に通気層を通して排出しています。
信州大学の測定によると、部屋に化学物質を入れても2日程度で自然に排出され、確実に通気層へ抜けていることが確認されています。
WB工法は、湿気や化学物質などが室内にこもらない、まさに健康を守る家と言うことができるのです。